ORAL MEDICINEを学ぼう
講師 飯塚哲夫先生
本講演の演者である飯塚哲夫先生が臨床に従事している「口腔研クリニック」に来院する初診患者の約半数は、う蝕や歯周病の患者でもなければ、歯冠修復や欠損補綴や歯列矯正といったデンティストリーの対象になる患者でもありません。それらの患者は、「口腔科」という医療分野の患者たちで、その主訴に関しては通常の歯科医院に受診することなど全く考えていない患者たちです。また口腔研クリニックには、年間を通じて3日に1度ほどの割合で埼玉県各地から顎口腔領域の救急患者は搬送されてきます。
日本には81の医学部がありますが、これらの医学部を卒業した医師で口腔科すなわち歯を含めた顎口腔領域の医療を専門とする医師は一人もいません。口腔科の医療は、本来歯科医が担当する医療だからです。しかし日本では歯科医師の圧倒的大多数がデンティストリーという業務に従事しているデンティストなので、口腔科の医療は「医療の空白地帯」になっています。これからの歯科医師は、自分の業務範囲を広げるためにも、また患者の種類や数を増やすためにも、また、なによりも歯科医師の本来あるべき姿を取り戻すためにも、口腔科の医療に取り組むべきでしょう。そのような医療の中心になるのが「ORAL
MEDICINE」です。
それはどのようなものなのか、それをどのように学べばよいのか、ごく普通の歯科診療所でそのような医療にどう取り組んだらよいのか、本講演をぜひご聴講ください。
2020年近代口腔研究会新年講演会